eiga.com 作品情報 『日本のいちばん長い日』
ゾクゾクしますー。老いも若きも、日本を代表する役者陣が、一致団結して
創り上げた快作、というところでしょうか~。1967年の岡本喜八監督ヴァー
ジョンも観てみたい気がしましたーー。
■解説:昭和史研究の第一人者・半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」を、「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」の原田眞人監督が映画化。1945年8月15日に玉音放送で戦争降伏が国民に知らされるまでに何があったのか、歴史の舞台裏を描く。太平洋戦争末期の45年7月、連合国軍にポツダム宣言受諾を要求された日本は降伏か本土決戦かに揺れ、連日連夜の閣議で議論は紛糾。結論の出ないまま広島、長崎に相次いで原子爆弾が投下される。一億玉砕論も渦巻く中、阿南惟幾陸軍大臣や鈴木貫太郎首相、そして昭和天皇は決断に苦悩する。出演は阿南惟幾役の役所広司、昭和天皇役の本木雅弘をはじめ、松坂桃李、堤真一、山崎努ら。
■スタッフ:/監督 原田眞人 /原作 半藤一利 /脚本 原田眞人 /製作総指揮 迫本淳一 /エグゼクティブプロデューサー 関根真吾 豊島雅郎 /プロデューサー 榎望 新垣弘隆 /撮影 柴主高秀 /照明 宮西孝明 /録音 照井康政 /衣装 宮本まさ江 /美術 原田哲男 /編集 原田遊人 /音楽 富貴晴美
■キャスト:役所広司(阿南惟幾) 本木雅弘(昭和天皇) 松坂桃李(畑中健二) 堤真一(迫水久常) 山崎努(鈴木貫太郎) 神野三鈴(阿南綾子) 蓮佛美沙子 大場泰正 小松和重 中村育二 山路和弘 金内喜久夫 鴨川てんし 久保耐吉 奥田達士 嵐芳三郎 井之上隆志 木場勝己 中嶋しゅう 麿赤兒 戸塚祥太 田中美央 関口晴雄 田島俊弥 茂山茂 植本潤 宮本裕子 戸田恵梨香(保木玲子) キムラ緑子 野間口徹(館野守男) 池坊由紀 松山ケンイチ(佐々木武雄) 戸塚祥太
■作品データ:/製作年 2015年 /製作国 日本 /配給 松竹、アスミック・エース /上映時間 136分 /映倫区分 G
※これは圧巻の人間ドラマでしたね。本木雅弘の天皇陛下が、妙にリアルで■スタッフ:/監督 原田眞人 /原作 半藤一利 /脚本 原田眞人 /製作総指揮 迫本淳一 /エグゼクティブプロデューサー 関根真吾 豊島雅郎 /プロデューサー 榎望 新垣弘隆 /撮影 柴主高秀 /照明 宮西孝明 /録音 照井康政 /衣装 宮本まさ江 /美術 原田哲男 /編集 原田遊人 /音楽 富貴晴美
■キャスト:役所広司(阿南惟幾) 本木雅弘(昭和天皇) 松坂桃李(畑中健二) 堤真一(迫水久常) 山崎努(鈴木貫太郎) 神野三鈴(阿南綾子) 蓮佛美沙子 大場泰正 小松和重 中村育二 山路和弘 金内喜久夫 鴨川てんし 久保耐吉 奥田達士 嵐芳三郎 井之上隆志 木場勝己 中嶋しゅう 麿赤兒 戸塚祥太 田中美央 関口晴雄 田島俊弥 茂山茂 植本潤 宮本裕子 戸田恵梨香(保木玲子) キムラ緑子 野間口徹(館野守男) 池坊由紀 松山ケンイチ(佐々木武雄) 戸塚祥太
■作品データ:/製作年 2015年 /製作国 日本 /配給 松竹、アスミック・エース /上映時間 136分 /映倫区分 G
ゾクゾクしますー。老いも若きも、日本を代表する役者陣が、一致団結して
創り上げた快作、というところでしょうか~。1967年の岡本喜八監督ヴァー
ジョンも観てみたい気がしましたーー。
●予告篇95秒
●1967年 岡本喜八監督ヴァージョン
☆映画レビューのブログを2つほど紹介~
kajioのblog-k・・・ 楠木正成の真の教えとは何か&それが未練というものだぞ
→『僕の場合は先に原田監督版を観てから岡本監督版を観たのですが、結論から書けばですね。終戦からあまり時間が経っていなかったという時代背景を加味すれば、間違いなく岡本監督版の方が中身が濃くて、当時のオールスターキャストに見合う物凄い映画だったとは思います。されど、原田監督版も終戦から70年も経つというハンディ?を逆手にとり、岡本監督版では扱われなかった阿南と鈴木首相と昭和天皇の関係と、阿南の家族への愛をサイドストーリーにしたり昭和天皇を主要キャストにしたりして、畑中らがいろいろな意味でギリギリのところから決起をしてからの緊張感は維持しつつも、岡本監督版とは明らかに違うところに…終わらせる為の苦悩に比重を置く事で、別の価値観を見出だそうとしていたので、これはこれで良い映画だったと思います。(中略)原田監督版で僕が印象に残ったのは、縛りやトーマスさんも書かれていた本木雅弘の演技になりますかね。昭和天皇役のオファーを受けるという段階で腹を括ったのは間違いないのでしょうが、役所広司さんや山崎努さんの存在感さえもを上回っていたのはびっくりした。こーなったら、岡本監督版をベースに、モノクロ処理をした本木雅弘の出演シーンを追加をして、映画における『決定版』を作ってほしくなりました!?岡本監督版で印象に残ったのは、原田監督版では敢えて掘り下げられなかった様にも思えた一部軍部の暴走っぷり…かなぁ。横浜警備隊や厚木基地でのやりとりになりますが、終戦を受け入れられない…ではなくて。終戦を受け入れる気が無い。本土決戦への覚悟が半端じゃなくて、狂気をも感じられて観ていて怖かったし、原田監督が掘り下げなかったのも仕方ない部分もあるのかな…と思ったのが正直なところですね』
kajioのblog-k・・・ 楠木正成の真の教えとは何か&それが未練というものだぞ
→『僕の場合は先に原田監督版を観てから岡本監督版を観たのですが、結論から書けばですね。終戦からあまり時間が経っていなかったという時代背景を加味すれば、間違いなく岡本監督版の方が中身が濃くて、当時のオールスターキャストに見合う物凄い映画だったとは思います。されど、原田監督版も終戦から70年も経つというハンディ?を逆手にとり、岡本監督版では扱われなかった阿南と鈴木首相と昭和天皇の関係と、阿南の家族への愛をサイドストーリーにしたり昭和天皇を主要キャストにしたりして、畑中らがいろいろな意味でギリギリのところから決起をしてからの緊張感は維持しつつも、岡本監督版とは明らかに違うところに…終わらせる為の苦悩に比重を置く事で、別の価値観を見出だそうとしていたので、これはこれで良い映画だったと思います。(中略)原田監督版で僕が印象に残ったのは、縛りやトーマスさんも書かれていた本木雅弘の演技になりますかね。昭和天皇役のオファーを受けるという段階で腹を括ったのは間違いないのでしょうが、役所広司さんや山崎努さんの存在感さえもを上回っていたのはびっくりした。こーなったら、岡本監督版をベースに、モノクロ処理をした本木雅弘の出演シーンを追加をして、映画における『決定版』を作ってほしくなりました!?岡本監督版で印象に残ったのは、原田監督版では敢えて掘り下げられなかった様にも思えた一部軍部の暴走っぷり…かなぁ。横浜警備隊や厚木基地でのやりとりになりますが、終戦を受け入れられない…ではなくて。終戦を受け入れる気が無い。本土決戦への覚悟が半端じゃなくて、狂気をも感じられて観ていて怖かったし、原田監督が掘り下げなかったのも仕方ない部分もあるのかな…と思ったのが正直なところですね』
縛りやトーマスの斜陽産業 本木のいちばん長い日『日本のいちばん長い日』
→『今回、原田眞人監督による2015年版のもっとも大きな違いは本木雅弘演じる昭和天皇の存在だ。67年版にも昭和天皇は登場する(演じたのは八代目松本幸四郎、松たか子のお祖父さん)が遠くからの姿だったり、背中しか写っていなかったりだ。今回は4月に戦中最後の首相、鈴木貫太郎(山崎努)が昭和天皇の要望があって誕生するあたりから天皇の姿が描かれる。(中略)昭和天皇、鈴木首相、阿南大臣によって終戦までの絵が描かれた、とされる2015年版では昭和天皇を遠景や背中だけで済ませるわけにはいかず終始天皇は出ずっぱり。本木雅弘はあの玉音放送のレコードでも知られる甲高い声を再現し、ソクーロフの『太陽』に見られるようなチャーミングに見える天皇の姿を演じきる。本木雅弘にそんなイメージがまったくないので驚かされる。本木雅弘といえばシブがき隊時代の「スシ食いねェ!」、周防正行監督の「シコふんじゃった。」のイメージが強いと思われるが(いつの話や)、その二つの印象を軽く打ち破る存在感でほとんど本木雅弘一人の映画と言ってもいい。本木雅弘もここに辿り着くまで耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできたんだな…と。まさに本木のいちばん長い日。この後公開される原発テロ映画「天空の蜂」でも本木は重要な役で強烈なイメージを残している。この夏、本木が熱い!』
→『今回、原田眞人監督による2015年版のもっとも大きな違いは本木雅弘演じる昭和天皇の存在だ。67年版にも昭和天皇は登場する(演じたのは八代目松本幸四郎、松たか子のお祖父さん)が遠くからの姿だったり、背中しか写っていなかったりだ。今回は4月に戦中最後の首相、鈴木貫太郎(山崎努)が昭和天皇の要望があって誕生するあたりから天皇の姿が描かれる。(中略)昭和天皇、鈴木首相、阿南大臣によって終戦までの絵が描かれた、とされる2015年版では昭和天皇を遠景や背中だけで済ませるわけにはいかず終始天皇は出ずっぱり。本木雅弘はあの玉音放送のレコードでも知られる甲高い声を再現し、ソクーロフの『太陽』に見られるようなチャーミングに見える天皇の姿を演じきる。本木雅弘にそんなイメージがまったくないので驚かされる。本木雅弘といえばシブがき隊時代の「スシ食いねェ!」、周防正行監督の「シコふんじゃった。」のイメージが強いと思われるが(いつの話や)、その二つの印象を軽く打ち破る存在感でほとんど本木雅弘一人の映画と言ってもいい。本木雅弘もここに辿り着くまで耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできたんだな…と。まさに本木のいちばん長い日。この後公開される原発テロ映画「天空の蜂」でも本木は重要な役で強烈なイメージを残している。この夏、本木が熱い!』
※はい、アシッド映画館を聴いて育った(?)リスナーの方のブログ記事は、
平野秀朗センセー(映画評論家)のコメントを聴いているようで嬉しくなっ
てしまいますワーーイ♪
平野秀朗センセー(映画評論家)のコメントを聴いているようで嬉しくなっ
てしまいますワーーイ♪
●本木雅弘、昭和天皇役は「アクシデントだった」映画「日本のいちばん長い日」完成報告会見
オリコンスタイル 松坂桃李インタビュー『戦争映画出演で気づかされた 何も知らずに生きてきた27年』
→『/松坂:戦争映画に出演するのは初めてで、実在した畑中健二という人を演じるにあたって、僕が戦争について何も知らないということに直面したんです。70年前に起きた出来事を、僕は何も知らないし、知ろうともしなかった。本当に悔しくて、情けなくて……。そんな状態で作品に入らなきゃいけない、何も知らなかった自分に対して、嫌気がさすというのか。70年前を生き抜いた方たちのおかげで、いまの平和な僕らの日常があるのに、それを実感することもなく、何も知らずに27年間生きてきたんだなと。……だから本当に、この作品に関われたことは、役者としてもそうなんですけど、僕自身にとっても、すごく大きな意味があった。改めてこの作品に参加できたことは、大きな出来事だったと思っています。/Q:打ちのめされるほどの無力感から、どのように脱却し、撮影に挑まれたのですか?/松坂:監督からいただいた資料をしっかりと頭に入れ、軍事訓練を受けて、日常的な所作も含めた、軍人としての動きを体に取り込むことで、畑中たちが生きていた頃に流れていた時間を、自分のなかで体現する。そういう準備をして、現場に行ってからは、役所さん演じる阿南さんと対峙したときに、わき出てきた感情や気持ちを大事にしました。(中略)/Q:畑中にとっては、正義を体現したような阿南さんとも対立し、苦しい立場に立たされますね?/松坂:阿南さんの口から、ポツダム宣言を受諾すると聞いたとき、いままで信じてきた真実を、目の前で無理矢理ひっくり返されたような衝撃が走りました。腹の底から、言葉にならない、とてつもなく大きな感情がこみ上げてきましたね。あのとき現場で、緊張感とともに、温かみみたいなものも阿南さんから感じることができました。70年前に起きた空気をしっかりと感じながら、演じることができた、忘れられないシーンです。/Q:放送会館へ乗り込んだ畑中が、マイクに向かってひとり、演説する場面も忘れられないシーンです。/松坂:悲しいですよね。いままで畑中の信じてきたものが全面的に否定されてしまう。後半へいくにつれて、ずっと腹のなかにとどめていた、叫びたい思い……悔しさだったり、悲しみ、どうすることもできない無力感、いろいろな感情が、大きなかたまりのなかから、どんどんわき上がってくるんです。でもどの感情よりも、畑中のなかではやはり、阿南さんの存在、父というのか、恩師、憧れ、目指すべきところというのか、本当にひとつには括れない、絶大な存在感としていちばん濃くにじみ出ていたと思います。それを頼りに、撮影に臨んでいました』
→『/松坂:戦争映画に出演するのは初めてで、実在した畑中健二という人を演じるにあたって、僕が戦争について何も知らないということに直面したんです。70年前に起きた出来事を、僕は何も知らないし、知ろうともしなかった。本当に悔しくて、情けなくて……。そんな状態で作品に入らなきゃいけない、何も知らなかった自分に対して、嫌気がさすというのか。70年前を生き抜いた方たちのおかげで、いまの平和な僕らの日常があるのに、それを実感することもなく、何も知らずに27年間生きてきたんだなと。……だから本当に、この作品に関われたことは、役者としてもそうなんですけど、僕自身にとっても、すごく大きな意味があった。改めてこの作品に参加できたことは、大きな出来事だったと思っています。/Q:打ちのめされるほどの無力感から、どのように脱却し、撮影に挑まれたのですか?/松坂:監督からいただいた資料をしっかりと頭に入れ、軍事訓練を受けて、日常的な所作も含めた、軍人としての動きを体に取り込むことで、畑中たちが生きていた頃に流れていた時間を、自分のなかで体現する。そういう準備をして、現場に行ってからは、役所さん演じる阿南さんと対峙したときに、わき出てきた感情や気持ちを大事にしました。(中略)/Q:畑中にとっては、正義を体現したような阿南さんとも対立し、苦しい立場に立たされますね?/松坂:阿南さんの口から、ポツダム宣言を受諾すると聞いたとき、いままで信じてきた真実を、目の前で無理矢理ひっくり返されたような衝撃が走りました。腹の底から、言葉にならない、とてつもなく大きな感情がこみ上げてきましたね。あのとき現場で、緊張感とともに、温かみみたいなものも阿南さんから感じることができました。70年前に起きた空気をしっかりと感じながら、演じることができた、忘れられないシーンです。/Q:放送会館へ乗り込んだ畑中が、マイクに向かってひとり、演説する場面も忘れられないシーンです。/松坂:悲しいですよね。いままで畑中の信じてきたものが全面的に否定されてしまう。後半へいくにつれて、ずっと腹のなかにとどめていた、叫びたい思い……悔しさだったり、悲しみ、どうすることもできない無力感、いろいろな感情が、大きなかたまりのなかから、どんどんわき上がってくるんです。でもどの感情よりも、畑中のなかではやはり、阿南さんの存在、父というのか、恩師、憧れ、目指すべきところというのか、本当にひとつには括れない、絶大な存在感としていちばん濃くにじみ出ていたと思います。それを頼りに、撮影に臨んでいました』
※おでこの青筋が本気度を物語る。。。
●あらすじ・ネタバレ解説(浜村淳)
※ラストの玉音放送まで完全再現デス!さすがラジオ界の天皇陛下!!
※ラストの玉音放送まで完全再現デス!さすがラジオ界の天皇陛下!!
ガジェット通信 原田眞人監督インタビュー「若い世代は戦争を学ぶ事を放棄している部分がある」
→『Q:昭和天皇をきちんと描きたいという気持ちがあったのですね。/原田:21世紀になって、ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」や、ハーバート・ビックスの「昭和天皇」という本が出て来て、特に「昭和天皇」は酷かったですからね。長い時間をかけて調べて書いているというのは分かったけど、学者特有の勘違いがあるというか。イデオロギー先行で真実を無視している部分が多々ある。秦郁彦さん、ピーター・ウェッツラーさんといった日米の知識人が既に指摘していることですが、僕に言わせると、ビックス本の問題点は、権力の座にいる者を描く時に、権力の座にいる事を疑似体験した事が無い人は分からないという事です。例えば、僕は映画監督だから撮影の場では最高権力者ですよね。ところが、宣伝の立場になった時にポスターは宣伝部が勝手に作ってしまって、それを変えるにはたくさんの時間がかかると。「駆け込み女と駆け出し男」なんてのも、あのポスター全然気に入っていなかったですから。でも色々な状況で諦めざるを得ない。/そんな時、自分の気持ちはそのポスターには反対なんだけど、そこは諦めて、少しでも良い所を探そうとする。昭和天皇も一緒でね、開戦も反対だったし、中国侵略も反対だったけれど、彼の想いは通らなかった。自分はそういうつもりじゃなかったのだけど、太平洋戦争がはじまってしまった、毒を持って毒を制す為に東条英機が首相になって。それが逆効果で、どんどん戦争は酷くなっていった。でも、そんな状況で「自分は戦争は反対でした」なんて言えないですよね。これは権力のあるポジションに就いた事のある人なら誰でも分かると思います。/Q:リーダーであるからこそ、とらなければいけない態度と。/原田:昭和天皇も、自分は好戦的では無いのだけど、より良い状態になる為に色々と言うわけですよ。それをハーバート・ビックスは「こういう好戦的な事を言っている」等と、ねじまげて書いている。ニューヨーク・タイムス紙の取材に答えて「戦争中にただ一人昭和天皇が自由だった」とも言っている。全然自由じゃないんですよ。僕も小さいながら権力の場に立っているから、力で蹂躙されて、その中で妥協点を見つける大変さ、葛藤も分かっている。/御前会議のときの、昭和天皇の「耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ」というお言葉も、15年の間彼が耐えてきた想いが込められているのであり、そこを僕は映画で描きたかった。(中略)
/原田:昭和天皇が一番難しかったですね。僕の中でイメージしている俳優が数人いて、最初にお願いした方はスケジュールが合わず、もう一人の方はこの映画での昭和天皇の描き方には賛同出来ないと。そんな時に樹木希林さんが本木さんを説得してくださって。ロンドンにいる本木さんと色々なメールのやりとりをして、資料を送ったり、彼からも質問が来たりする中で、昭和天皇の形態模写をしたいのでは無く、家族の話を描きたいんだという想いを伝えました。撮影半ばで彼が日本に来て、彼の参加が一番遅かったのだけど、ロンドンで役作りをはじめてくださっていたので、有り難かったですね。/Q:現場に入るのは一番遅くても、日本に来る前に役作りを進めていたと。/原田:せっかくイギリスにいるのだから、といって昭和天皇にふさわしいガウンなども探してきてくれて。ガウンは高すぎて断念したのだけど、メガネは本木さんが持ってきた物を実際に使っています。縁なしと銀縁の2種類を持って来て「縁なしだと昭和天皇らしいけど本木雅弘が出過ぎるかもしれない」など、ずーっと悩んでいて。僕も甲乙つけがたかったので、その場にいた美術部などのスタッフを全員集めて多数決をとったんです。そうしたら、28人にいて14対14でますます悩んでしまった(笑)。それで僕が「実際に撮影が始まった時に決めれば良いから」と言ったら、現場に縁なしのメガネをかけてきたんですね。/Q:そんな裏話が。/原田:彼は役作りに関してとにかく真面目でした。ロンドンでも、戦後の昭和天皇の映像などをたくさん観ていて、「あ、そう」と言う昭和天皇の言い回しもマスターしていた。それがすごくおかしかったんだけど、「これは映画では使いませんよね?」と彼も言っていて。だけど、映画には一カ所入れています。/Q:この映画は何度でも観たい、というよりも、何度でも観るべき映画だと感じました。その中で、そういった細やかな役づくり、セットや衣装にいたるまで隅々まで注目したいです。/原田:若い世代は戦争を学ぶ事を放棄している部分がある。最近の日本ではきな臭い発言をする政治家が増えてきていますが、過去に軍を捨てて国を残すという判断をした人がいる以上、もう軍を持っていけないんだという議論を若い人にして欲しい。政治の事分からない、戦争の事分からないというのでは無く、この映画を観て考えて欲しいですね。/子供の時からアニメばかり観て、映画も「ビリギャル」だ「ラブライブ!」って、もちろんそういった作品を観るのは構わないのだけど、その前に観るべき作品もあるのだと。「理解出来なかった映画=つまらない」というのは違うと思いますしね。僕がこの年齢になっても、映画を観て分からなかったら理解力が足りなかった、と反省する事ばかりなのだけど、一部の若者は「自分が分からないのは映画が悪いんだ」と思ってしまうみたいですね。それではいつまで経っても教養は身に付かない。/Q:今日は貴重なお話を本当にどうもありがとうございました』
→『Q:昭和天皇をきちんと描きたいという気持ちがあったのですね。/原田:21世紀になって、ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」や、ハーバート・ビックスの「昭和天皇」という本が出て来て、特に「昭和天皇」は酷かったですからね。長い時間をかけて調べて書いているというのは分かったけど、学者特有の勘違いがあるというか。イデオロギー先行で真実を無視している部分が多々ある。秦郁彦さん、ピーター・ウェッツラーさんといった日米の知識人が既に指摘していることですが、僕に言わせると、ビックス本の問題点は、権力の座にいる者を描く時に、権力の座にいる事を疑似体験した事が無い人は分からないという事です。例えば、僕は映画監督だから撮影の場では最高権力者ですよね。ところが、宣伝の立場になった時にポスターは宣伝部が勝手に作ってしまって、それを変えるにはたくさんの時間がかかると。「駆け込み女と駆け出し男」なんてのも、あのポスター全然気に入っていなかったですから。でも色々な状況で諦めざるを得ない。/そんな時、自分の気持ちはそのポスターには反対なんだけど、そこは諦めて、少しでも良い所を探そうとする。昭和天皇も一緒でね、開戦も反対だったし、中国侵略も反対だったけれど、彼の想いは通らなかった。自分はそういうつもりじゃなかったのだけど、太平洋戦争がはじまってしまった、毒を持って毒を制す為に東条英機が首相になって。それが逆効果で、どんどん戦争は酷くなっていった。でも、そんな状況で「自分は戦争は反対でした」なんて言えないですよね。これは権力のあるポジションに就いた事のある人なら誰でも分かると思います。/Q:リーダーであるからこそ、とらなければいけない態度と。/原田:昭和天皇も、自分は好戦的では無いのだけど、より良い状態になる為に色々と言うわけですよ。それをハーバート・ビックスは「こういう好戦的な事を言っている」等と、ねじまげて書いている。ニューヨーク・タイムス紙の取材に答えて「戦争中にただ一人昭和天皇が自由だった」とも言っている。全然自由じゃないんですよ。僕も小さいながら権力の場に立っているから、力で蹂躙されて、その中で妥協点を見つける大変さ、葛藤も分かっている。/御前会議のときの、昭和天皇の「耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ」というお言葉も、15年の間彼が耐えてきた想いが込められているのであり、そこを僕は映画で描きたかった。(中略)
/原田:昭和天皇が一番難しかったですね。僕の中でイメージしている俳優が数人いて、最初にお願いした方はスケジュールが合わず、もう一人の方はこの映画での昭和天皇の描き方には賛同出来ないと。そんな時に樹木希林さんが本木さんを説得してくださって。ロンドンにいる本木さんと色々なメールのやりとりをして、資料を送ったり、彼からも質問が来たりする中で、昭和天皇の形態模写をしたいのでは無く、家族の話を描きたいんだという想いを伝えました。撮影半ばで彼が日本に来て、彼の参加が一番遅かったのだけど、ロンドンで役作りをはじめてくださっていたので、有り難かったですね。/Q:現場に入るのは一番遅くても、日本に来る前に役作りを進めていたと。/原田:せっかくイギリスにいるのだから、といって昭和天皇にふさわしいガウンなども探してきてくれて。ガウンは高すぎて断念したのだけど、メガネは本木さんが持ってきた物を実際に使っています。縁なしと銀縁の2種類を持って来て「縁なしだと昭和天皇らしいけど本木雅弘が出過ぎるかもしれない」など、ずーっと悩んでいて。僕も甲乙つけがたかったので、その場にいた美術部などのスタッフを全員集めて多数決をとったんです。そうしたら、28人にいて14対14でますます悩んでしまった(笑)。それで僕が「実際に撮影が始まった時に決めれば良いから」と言ったら、現場に縁なしのメガネをかけてきたんですね。/Q:そんな裏話が。/原田:彼は役作りに関してとにかく真面目でした。ロンドンでも、戦後の昭和天皇の映像などをたくさん観ていて、「あ、そう」と言う昭和天皇の言い回しもマスターしていた。それがすごくおかしかったんだけど、「これは映画では使いませんよね?」と彼も言っていて。だけど、映画には一カ所入れています。/Q:この映画は何度でも観たい、というよりも、何度でも観るべき映画だと感じました。その中で、そういった細やかな役づくり、セットや衣装にいたるまで隅々まで注目したいです。/原田:若い世代は戦争を学ぶ事を放棄している部分がある。最近の日本ではきな臭い発言をする政治家が増えてきていますが、過去に軍を捨てて国を残すという判断をした人がいる以上、もう軍を持っていけないんだという議論を若い人にして欲しい。政治の事分からない、戦争の事分からないというのでは無く、この映画を観て考えて欲しいですね。/子供の時からアニメばかり観て、映画も「ビリギャル」だ「ラブライブ!」って、もちろんそういった作品を観るのは構わないのだけど、その前に観るべき作品もあるのだと。「理解出来なかった映画=つまらない」というのは違うと思いますしね。僕がこの年齢になっても、映画を観て分からなかったら理解力が足りなかった、と反省する事ばかりなのだけど、一部の若者は「自分が分からないのは映画が悪いんだ」と思ってしまうみたいですね。それではいつまで経っても教養は身に付かない。/Q:今日は貴重なお話を本当にどうもありがとうございました』
※これは、絶対に観ておいてほしい映画でしょう。いや、この上の浜村さん
のネタバレ解説を聴けば、それだけで充分かもしれませんけどーーw
☆本日2月15日(月)の、音楽関連の情報
【出来事】・スライ&ザ・ファミリー・ストーン、シングル「Everyday People」がグループ初の全米チャート1位に(1969)/AKB48がシングル「GIVE ME FIVE!」をリリース、メンバーによるバンド演奏も話題に(2012)/家入レオ、シングル「サブリナ」でデビュー(2012)
【誕生日】
・池田貴史(レキシ:1974)/西脇綾香(Perfume:1979)/住岡梨奈(1990)/尾形春水(モーニング娘。:1999)
・池田貴史(レキシ:1974)/西脇綾香(Perfume:1979)/住岡梨奈(1990)/尾形春水(モーニング娘。:1999)
【命日】
・ナット・キング・コール(1965)/マイク・ブルームフィールド(1981)
・ナット・キング・コール(1965)/マイク・ブルームフィールド(1981)
目立った成果だけが成果じゃないよ |
《内容要約:「自分はまだ何も目立った成果を達成していない」と焦ってる人に言いたいですけど、そんなの当り前。オレだって、仕事はたくさんしてるけど、「何かを成し遂げた」という実感はいまだに全然ないですよ。目立った成果だけが成果じゃない。コツコツ真面目に続けていることが、すでに一つの達成なんじゃないですか》
●江原啓之「結果の全てが成果主義じゃない!?」
※キレている江原さん、、、珍しいんじゃないでしょうかー?