eiga.com 作品情報 『笛吹川』
■解説:深沢七郎の同名小説の映画化で、戦国時代を背景に笛吹川のほとりに住む貧農の五代にわたる約六十余年の物語。「春の夢」の木下恵介が脚色・監督した。撮影も「春の夢」の楠田浩之。
■ストーリー:戦国時代。甲斐国の笛吹橋の袂に一軒の貧しい家があった。敷居は土手と同じ高さだが、縁の下は四本の丸太棒で土手の下から支えられていて遠くからは吊られた虫籠のように見えるので、村ではギッチョン籠と呼ばれていた。この百姓家には、おじいと婿の半平、孫のタケ、ヒサ、半蔵が住んでいた。もう一人の孫は竹野原に嫁いでいた。おじいは、半蔵がお屋形様(武田信虎)の戦についていき、飯田河原の合戦で手柄をたてたのに大喜びである。お屋形様に生れた男の坊子(ボコ)の後産を埋める大役を半平が申しつかった。おじいがその役をひったくったが、御胞衣を地面に埋める時血で汚し、家来に斬られた。その同じ日、近くの家で赤ん坊が生まれ、その子はおじいの生れ代りと信じられた。やがて、半蔵もおじいと同じ左足に傷を受けてチンバになり、遂には討死してしまった。しかし、戦についていくと褒美が貰えたり、出世したりするので、村の若い者はみんな戦に行きたがっていた。(以下略)
■スタッフ:/監督 木下惠介 /脚色 木下惠介 /原作 深沢七郎 /製作 細谷辰雄 /制作 補脇田茂
■キャスト:加藤嘉 織田政雄 大源寺竜介 山岡久乃 青木三知子 矢吹寿子 内野しげみ 小林トシ子 斎木新太郎 田村登志麿 田村高廣 高峰秀子 大谷正行 高宝財 松本幸四郎(9代目)亀谷雅敬 中村万之助 岡本和久 永幡洋平吉 田中晋二 岩井京子 岩下志麻 渡辺文雄 荒木道子 伊藤弘子 川津祐介 伊藤茂信 初代松本白鸚 中村勘三郎(17代目) 武内亨 浜田寅彦 井川邦子 山根七郎 小笠原章二郎 安部徹 原泉 小瀬朗 市原悦子 小林十九 坂東市太郎 中村福録 中村駒七 山崎満
■作品データ:/製作年 1960年 /製作国 日本 /配給 松竹 /上映時間 117分
■ストーリー:戦国時代。甲斐国の笛吹橋の袂に一軒の貧しい家があった。敷居は土手と同じ高さだが、縁の下は四本の丸太棒で土手の下から支えられていて遠くからは吊られた虫籠のように見えるので、村ではギッチョン籠と呼ばれていた。この百姓家には、おじいと婿の半平、孫のタケ、ヒサ、半蔵が住んでいた。もう一人の孫は竹野原に嫁いでいた。おじいは、半蔵がお屋形様(武田信虎)の戦についていき、飯田河原の合戦で手柄をたてたのに大喜びである。お屋形様に生れた男の坊子(ボコ)の後産を埋める大役を半平が申しつかった。おじいがその役をひったくったが、御胞衣を地面に埋める時血で汚し、家来に斬られた。その同じ日、近くの家で赤ん坊が生まれ、その子はおじいの生れ代りと信じられた。やがて、半蔵もおじいと同じ左足に傷を受けてチンバになり、遂には討死してしまった。しかし、戦についていくと褒美が貰えたり、出世したりするので、村の若い者はみんな戦に行きたがっていた。(以下略)
■スタッフ:/監督 木下惠介 /脚色 木下惠介 /原作 深沢七郎 /製作 細谷辰雄 /制作 補脇田茂
■キャスト:加藤嘉 織田政雄 大源寺竜介 山岡久乃 青木三知子 矢吹寿子 内野しげみ 小林トシ子 斎木新太郎 田村登志麿 田村高廣 高峰秀子 大谷正行 高宝財 松本幸四郎(9代目)亀谷雅敬 中村万之助 岡本和久 永幡洋平吉 田中晋二 岩井京子 岩下志麻 渡辺文雄 荒木道子 伊藤弘子 川津祐介 伊藤茂信 初代松本白鸚 中村勘三郎(17代目) 武内亨 浜田寅彦 井川邦子 山根七郎 小笠原章二郎 安部徹 原泉 小瀬朗 市原悦子 小林十九 坂東市太郎 中村福録 中村駒七 山崎満
■作品データ:/製作年 1960年 /製作国 日本 /配給 松竹 /上映時間 117分
※パートカラー、というのだろうか、白黒画面の端々に、水彩絵の具のような色が施され、
戦(いくさ)の場面や、橋の周辺の美しい風景を、印象的に際立たせるー
観慣れない映像だけに、斬新で片時も目が離せなかったーーー
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事務職員へのこの1冊 「笛吹川」('60 松竹) 木下恵介監督 高峰秀子 田村高廣主演
→『木下恵介監督の最高傑作ではないかと言われながら、今では誰も語らなくなってしまった映画である。それには三つの要因がある。/仝矯遒凌実哲郎との著作権をめぐるトラブルで、「楢山節考」とともに近年までビデオ化、あるいはTV放映もされなかったこと。/▲皀離ロフィルムに色を焼き付けるという凝った技法が災いしたか(それにしてもアヴァンギャルドだ。こんな実験が許されるほど、松竹は木下恵介を信頼し、甘やかしていたわけだ)、この映画がヒットしなかったこと。/F瓜紊砲いて木下恵介は名監督、ヒット量産監督として称揚されすぎ、ために今では逆に誰も語ることすらしなくなってしまった……こんなところだろうか。木下のむきだしの反戦意識が、領民を使い捨てにする武田信玄への憎悪の形で描かれている。一度は観ておくべき映画だと思う。好き嫌いは極端に分かれるだろうけれども。』
→『木下恵介監督の最高傑作ではないかと言われながら、今では誰も語らなくなってしまった映画である。それには三つの要因がある。/仝矯遒凌実哲郎との著作権をめぐるトラブルで、「楢山節考」とともに近年までビデオ化、あるいはTV放映もされなかったこと。/▲皀離ロフィルムに色を焼き付けるという凝った技法が災いしたか(それにしてもアヴァンギャルドだ。こんな実験が許されるほど、松竹は木下恵介を信頼し、甘やかしていたわけだ)、この映画がヒットしなかったこと。/F瓜紊砲いて木下恵介は名監督、ヒット量産監督として称揚されすぎ、ために今では逆に誰も語ることすらしなくなってしまった……こんなところだろうか。木下のむきだしの反戦意識が、領民を使い捨てにする武田信玄への憎悪の形で描かれている。一度は観ておくべき映画だと思う。好き嫌いは極端に分かれるだろうけれども。』
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はてなダイアリィ 時よ止まれ! 僕たちはすることが一杯ある!!
☆山田太一さんの、作品評
→『たとえば「笛吹川」のヒロイズム皆無の合戦シーンを他の誰が撮っただろうか?武将も兵も農民も、敵も味方も、勝利も敗北も、生死さえもそこではさしたる差異はなく、といって、だから戦争はむなしい式の決り文句の世界とも画然と無縁で、殺し合いも子供をふやす畑仕事も、ひとしなみに人間の営みという視点を獲得した映画が他にあっただろうか?(「文春文庫の“大アンケートによる日本映画ベスト150”「世界のどこにこのような作家がいただろう?」p.414)より』
☆山田太一さんの、作品評
→『たとえば「笛吹川」のヒロイズム皆無の合戦シーンを他の誰が撮っただろうか?武将も兵も農民も、敵も味方も、勝利も敗北も、生死さえもそこではさしたる差異はなく、といって、だから戦争はむなしい式の決り文句の世界とも画然と無縁で、殺し合いも子供をふやす畑仕事も、ひとしなみに人間の営みという視点を獲得した映画が他にあっただろうか?(「文春文庫の“大アンケートによる日本映画ベスト150”「世界のどこにこのような作家がいただろう?」p.414)より』
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