honto 中川翔子のポップカルチャー・ラボ 第1回 手塚眞
→『オリンピックイヤーとなる2020年。来たるべきその日に向け、女優・タレント・歌手の中川翔子が改めてマンガと対峙。日本が誇れるポップカルチャーの象徴について、多彩なゲストとともにトークを繰り広げる新企画。記念すべき第1回は、マンガの生みの親でもある手治虫の長男、手塚眞さん。10代の頃から映像作家としての才能を遺憾なく発揮し、現在は映画監督をする一方、手塚作品の「監修者」としても浦沢直樹『PLUTO』や『アトム ザ・ビギニング』など、数々の作品を手がけてきた。実は、中川の亡き父・中川勝彦とは学生時代の友人であり、自身の映像作品に出演してもらったこともあるという眞さん。しかも、今年上演された妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」に、今度は中川本人がヒロイン役として出演するなど、不思議な繋がりが今も続いている。今回は、そんな2人に手治虫作品の魅力について、たっぷりと語ってもらった。
/手塚:来年は、お父さんの年齢を追い越してしまいますね。/中川:そうなんです。いつかの未来が今なのだなと思うと、この今の瞬間に、父が大変お世話になっていた眞さまの、お父様の作品でヒロインをやれているというのは、何か未来に対して特別な思いがあった自分にとっては、過去と未来がガシッと繋がったような感覚でした。「上を下へのジレッタ」への出演が決まり、手塚作品をいろいろと読みあさっていく中で、大人になってからの方が意味がわかったり、面白くなったりするシーンがたくさん潜んであったのも気づいて。もう、生きることがどんどん面白くなっていく感じがします。/手塚:しょこたんが、お父さんの亡くなった年齢になったというのが、今日最も心動かされた話でした(笑)。感慨深いですね。しょこたんはたくさんの漫画やアニメを、今の目線で見て、面白いものを分かっている。そんなしょこたんが手塚作品を評価してくれているのがすごく嬉しくて、ありがたいなって思っています。/中川:恐縮でございます!! でも今日、こうやって眞さまとお話がゆっくりできて嬉しいです。父がくれたプレゼントなのかな、会わせたい人に会わせてくれたのかなって思っています。これからまた、眞さまとご一緒できる未来がありますように。今日はありがとうございました!』
→『オリンピックイヤーとなる2020年。来たるべきその日に向け、女優・タレント・歌手の中川翔子が改めてマンガと対峙。日本が誇れるポップカルチャーの象徴について、多彩なゲストとともにトークを繰り広げる新企画。記念すべき第1回は、マンガの生みの親でもある手治虫の長男、手塚眞さん。10代の頃から映像作家としての才能を遺憾なく発揮し、現在は映画監督をする一方、手塚作品の「監修者」としても浦沢直樹『PLUTO』や『アトム ザ・ビギニング』など、数々の作品を手がけてきた。実は、中川の亡き父・中川勝彦とは学生時代の友人であり、自身の映像作品に出演してもらったこともあるという眞さん。しかも、今年上演された妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」に、今度は中川本人がヒロイン役として出演するなど、不思議な繋がりが今も続いている。今回は、そんな2人に手治虫作品の魅力について、たっぷりと語ってもらった。
一般的に手塚のマンガというと、ヒューマンだとか、心洗われるとか多いのだけど、怖いストーリーもあれば、すごく皮肉な話や痛切な話もたくさんあるんですよね。
中川翔子(以下、中川):眞さまとの出会いは不思議なものでしたよね。5年前、ニコニコ動画さんの企画で、「魔法少女まどか☆マギカ」の実写版を制作するという話があって。眞さまが監督で、私がまどか役っていう。場所は日光江戸村だったじゃないですか。なんでそんなことになったんだろうとビックリしました。/手塚眞(以下、手塚):「魔法少女まどか☆マギカ」をもとにした「マギカ☆調べ」という落語があって、その実写化っていう変わった企画でしたね。ニッポン放送のアナウンサーの吉田尚記さんという人が、そういうオタク落語をやっていて(笑)。/中川:それで初めてお会いしたのですが、驚いたことに、私の父(中川勝彦)が生前、眞さまに大変お世話になっていたことをお聞きして。/手塚:お世話というか学生の頃の友達で、僕の作った映画にも彼は出てくれているから、親子で出演してもらったことになる(笑)。/中川:時を超え、二世代にわたってお世話になりましたという。/手塚:そして、今度は私の父の作品「上を下へのジレッタ」(妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」)に、しょこたんが出てくれて、なんだか家族でつながってグルグル回っている感じ(笑)。/中川:ヒロインの小百合チエ役をやらせていただいて。今年はもうずっと、寝ても覚めてもジレッタの世界にいたので、公演終了後は“ジレッタロス”みたいになってしまって……。まだふわふわしているんです。だから、ここ(手プロダクション)に来られて、手塚ワールドを浴びられて幸せです。/手塚:僕は初日だけ顔を出したのですが、ずっと満員御礼だったとか。/中川:はい。もう毎回満席で、立ち見席までぎっしり埋まっていました。『上を下へのジレッタ』は、自分の妄想世界(ジレッタ)を、他人に伝達する能力を持つ人物が出てくるのですが、VRやCGがものすごいスピードで発達しているこの時代に読み直してみると、ものすごく風刺が効いているんですよね。この作品の中で起こっていることは、今の社会でも起こりうることで。これが40年以上も前に描かれていたのかと思うと、本当に驚きです。当時の想像力で言ったら、脳みその頭蓋骨のさらに外側まで突き抜けていますよね。/手塚:(笑)確かに、行き過ぎていたように思いますね。/中川:手治虫先生は、マンガやアニメをこの世に定着させたパイオニアであるばかりか、発想自体がぶっ飛んでいたという……。舞台で演出を担当した倉持裕さんと、手塚先生の作品について稽古中も盛り上がって。すごく幸せでした。『上を下へのジレッタ』の舞台では、手塚作品と音楽の相性の良さに驚きました。
中川:今回の舞台でも、手塚作品と音楽の相性の良さに驚きました。ほかに、舞台で観たい手塚作品ってありますか?/手塚:「アドルフに告ぐ」は舞台にしてほしいですね。昔から映画化したいという話が、海外からも、それこそドイツからも来ましたが、やはり壮大すぎるというのと、ヒトラーも登場するデリケートな内容で、なかなか実現しなかった。舞台だったらできるんじゃないかな。/中川:それは是非観てみたいです。/手塚:ちなみに今までの舞台で最も評判が良かったのが、「陽だまりの樹」という、手塚の先祖を主人公にした江戸時代の話でした。ドラマにもなったし、舞台も3ヴァージョンくらいあったかな。/中川:手塚先生の、お仕事中のエピソードで覚えていることってありますか?/手塚:すごく忙しい時は、何誌も掛け持ちで連載をしているんですよ。そうすると、何本か並行して進めないといけないんですね。昔は今みたいにデジタルの技術がないから、絵は、ギリギリまで待ってもそのまま印刷まで持っていけるんだけど、セリフの部分は写植文字を先に打たなきゃいけなくて。つまり、お話と台詞だけ先に作るんです。例えば、机の上では「三つ目がとおる」の原稿を描きながら、電話口で編集者に「ブラック・ジャック」のセリフを伝えていたり。/中川:何それ!!/手塚:人間とは思えないですよね(笑)。普通の人ならできないと思います。本当に、一生懸命描いているという感じでした。原稿に、ものすごく顔を近づけて描いているんですよ。傍目には、机に突っ伏しているように見えるくらいグググッと近づいて。/中川:え~肩を揉んで差し上げたい……。/手塚:(笑)おそらく、子供の頃からの癖だと思うんですよ、その姿勢は。だから、仕事場の机を少し高くしてありました。脚の下に何かを噛ませて上にあげて、なるべく顔に近いところに原稿が来るよう工夫してあった。で、昔の原稿はペン先に墨汁をつけて描くんですけど、ペン軸の先が顔に当たるのが煩わしいからってちょん切って。ペン軸を短くして顔のそばに持って来て描いていました(笑)。/中川:自分のスタイルに合わせていたんですね。ということは、描くのもすごく速かったのですか?/手塚:速かったですね。「落書きでもしているんじゃないか?」と思うくらいパパパッと描いていました。/中川:苦手なことってあったのかな。/手塚:意外なことに、メカ音痴だったんですよ。/中川:え! 意外すぎる(笑)。/手塚:僕も若干、その傾向があるんですけど。昔、ワープロのコマーシャルに本人が出演して、ワープロをもらえるって言われたとき、「要らない」ってもらわなかったの。「僕は絵を描く職業だから」って。でも実は、持っていても使えなかったからじゃないかと(笑)。ビデオの留守録も自分で出来ないから、私の母にやってもらうなどしていました。今の若い人たちと、昔の手塚作品を結びつける際、何が必要なのかを見極めるのが監修の立場です。
中川:眞さまの、監修のお仕事というのはどんなものなのですか?/手塚:ただ「手塚ワールド」を忠実に守り続けるのではなく、例えば今の若い人たちと、昔の手塚作品を結びつける際、何が必要なのかを見極めるのが監修の立場です。例えば、浦沢直樹さんの「PLUTO」ですが、浦沢さんは当初、手塚作品へのリスペクトがものすごく強くて、「できる限り、手塚先生の絵を再現します」と言ってきてくれました。「アトムも僕はすごく上手く描けるんです」って。確かにまるで手治虫のようなアトムが描けるんですけど、それをやってしまうとただの「マネ」になってしまうので、それはやめてくださいとお願いしました。浦沢さんのタッチで描いてくださいって、こちらから頼んだんです。しかも、「せっかく描くのだから、あなたの最高傑作にしてください」とお願いして、ハードルを上げてしまいました(笑)。/中川:うわああ! 凄まじいプレッシャー(笑)/手塚:普通、著作権者って、守るだけの立場なんですね。イメージを悪くしないよう、「ここを変えちゃいけない」とか「ここはこのとおりにしてくれ」とか。でも、僕自身が表現者なので、僕が入るときは、守るだけじゃなく攻める方に回りたい。NHKでも放映していた「アトム ザ・ビギニング」は、最初の企画段階から僕も関わっています。「今、アトムをリメイクするなら、どういう方法があるか」というアイデアを、いろんなクリエイターからたくさん出してもらって。そこで出てきたのが“ビギニング”というフレーズでした。映画「バットマン ビギンズ」のように、アトムが誕生する前日譚を描いたら面白いんじゃないかと。若きお茶の水博士や天馬博士が出てくるような。/中川:すごい!私たちが見たい手塚ワールドを掘り出して、それを全く新しい視点で生み出すわけですよね。/手塚:ただ最終的には、やっぱり手塚の原作を読んでもらいたいですね。今、話題になっている『AIの遺電子』というマンガは、まるでブラック・ジャックのようなロボット医師が出てきます。AIの研究をしている人は、「あのマンガの設定は本当によくできている。素晴らしい」ってみんなが言うんです。ただ、その世界は、実は手治虫が、何十年も前に全部描いている。きっと当時はみんなそのすごさがわからなかったんでしょうね。「AIの遺電子」のようなマンガが今になって出てきて、それで逆に手治虫のすごさに改めて気づかされるというか。/中川:本当にそうですね。/手塚:でも、しょこたんも結局はお父さんと同じ仕事になっちゃったね。役者もやって、歌もやって。/中川:そうなんです。もともとマンガや絵を描くのが好きな引きこもりで、人前に出ることなんて考えられなかったんですけど……。父も猫が好きで、絵を描いたり歌を歌ったりしていたらしく。今年、ついに父が亡くなった時と同い年になったんですけど、未だに「お父さんと一緒に仕事をしたことがあるんですよ」って言っていただくことも多いんですよね。目に見えないけど、一緒に歩いているような不思議な気持ちです。/手塚:来年は、お父さんの年齢を追い越してしまいますね。/中川:そうなんです。いつかの未来が今なのだなと思うと、この今の瞬間に、父が大変お世話になっていた眞さまの、お父様の作品でヒロインをやれているというのは、何か未来に対して特別な思いがあった自分にとっては、過去と未来がガシッと繋がったような感覚でした。「上を下へのジレッタ」への出演が決まり、手塚作品をいろいろと読みあさっていく中で、大人になってからの方が意味がわかったり、面白くなったりするシーンがたくさん潜んであったのも気づいて。もう、生きることがどんどん面白くなっていく感じがします。/手塚:しょこたんが、お父さんの亡くなった年齢になったというのが、今日最も心動かされた話でした(笑)。感慨深いですね。しょこたんはたくさんの漫画やアニメを、今の目線で見て、面白いものを分かっている。そんなしょこたんが手塚作品を評価してくれているのがすごく嬉しくて、ありがたいなって思っています。/中川:恐縮でございます!! でも今日、こうやって眞さまとお話がゆっくりできて嬉しいです。父がくれたプレゼントなのかな、会わせたい人に会わせてくれたのかなって思っています。これからまた、眞さまとご一緒できる未来がありますように。今日はありがとうございました!』
[]
→『』
→『』
[[attached(,center)]]
●
[[attached(,center)]]
[]
→『』
→『』
[[attached(,center)]]
●
[[attached(,center)]]
[]
→『』
→『』
[[attached(,center)]]
●
[[attached(,center)]]
[]
→『』
→『』
[[attached(,center)]]
●
[[attached(,center)]]
[]
→『』
→『』
『世の中に無駄なことなんてひとつもない・・・ずいぶんあるよ。』 |
【「過去の苦しんだ経験はのちに活きてくる」なんていいますが、苦労したから幸せになれるとは限りません。できれば楽して成功するのが一番です。成功者は無駄な苦労を省き、金儲けしている人が大半です。僕は3年間、低賃金でホストクラブで働かされた経験がありますが、なんのためにもならない無駄な時間でした。無駄なことは無駄!だまされないように!】
☆関連書籍、ニュース、名言など!
[]
→『』
→『』
[[attached(,center)]]
※
※
●
[]
→『』
→『』
[[attached(,center)]]
※
※
“” |
「」
●
[[attached(,center)]]
※
※
●
[[attached(,center)]]
※
※